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▼次へ 深呼吸の必要投稿日:6月22日(火)
●深呼吸の必要
「はつ恋」の篠田哲雄監督の作品。
篠田監督にはこういう映画が向いていると思う。
ぶっ飛んだ「歌謡昭和大全集」もがんばったけど、彼はこういうやさしい肩肘張らない緩い映画がいい。
やわらかい映画、だった。
なにもかも逃げ出したくなるとき。
誰もが正しく生きているわけでなく。
答えが見つからないまま過ごしている。
人の生き方を誰が非難できるのだろうか。
自分は自分でしか変えられない。
他人が変えようとしても必ず無駄に終わる。
それでいいじゃない
そのままで
たまに逃げ出して
深呼吸して
結論めいたことはない、けどそれでいいじゃない。
力を抜いて、ぼーっとして
言いたいことがあれば言えばいい
言いたくなければ言わなければいい
逃げてもいい
なにかほんの少しのことにすがって・・・
いまは、それでいいんだよ
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▼次へ カレンダーガール投稿日:6月22日(火)
●カレンダーガール
これはホラーですか(笑)
ちゅうか、たまたま見知らぬ,妙齢の女性に囲まれ映画館で見たんですが、全く予備知識なく見たもんですから、かな〜り、いたたまれなかったっす。
だって、内容が5、60歳のおばちゃんが、ヌード写真集をだそうと、きめちゃうって話なんですよ。それでまたヌード撮影の様子が、にゃまにゃましく(?)描かれるんですよ。それが美しいってわけじゃなくて普通のおばさんのヌードなんですよ、これがまた。
で、もってですね。映画館では、隣に座っていたおばちゃまが、そのヌードの場面で、いちいちこっち向いて笑うんです。え〜ー!スクリーンをみて笑ってよー。わたくしのリアクションをうかがわないで〜ー。笑いの同意を求めないで〜。おーい。
って。
ある意味ホラーですか?
この映画館は、恐怖の館ですか。
あっしはどうすればいーんですか。
と。まあ、それはそれでさておいてですね。
映画の中では、そのヌード撮影のシーンとかが、結構、楽し〜く描かれているんです。ええ。楽しいです。かなり笑えます。そして感動的にも作られているのです。意外にも。
それぞれの家庭の問題の経過、ほったらかしですか、とか描ききれてない消化不良な部分がありますけども、なかなかの佳作!ちょとこ泣けるし、実は面白かった。
妙齢の女性がみたら、元気がでますよ。
お勧めです。
でも男子は、なるべくビデオでみたほうがいいかもしれません(笑)
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▼次へ シルミド 投稿日:6月12日(土)
●シルミド
韓国映画。キムイルソンを暗殺すべく訓練された若者達が政治に翻弄され、やがて悲劇を向かえる、というお話。
もうグッタリですよ。圧倒的といってもいいけど。映画の重みというか、これが現実あったという重み。披露困憊。こんなリアルな「あずみ」があったなんて。
国の政策に翻弄された若者達の悲劇。
前半はGIジェーンてき訓練の激しさ辛さが描かれ、後半、徐々に国家の政策の転換に翻弄される兵士たちが、破滅に向かって暴走していく。
だけどねえ。
感情移入しにくい点があって評価できない。
やっぱ民間人を●×しちゃったって点で同情できなくなった。なにもかもが許せなくなってしまった。
力の入った入魂なる映画なんだけど。
男たちの半裸の肉体を見るにはいいんだろうけど。
任侠系男社会映画みたいなんだけど。
いま、日本の監督でこういう力こぶのはいった
映画撮れる人いるかな、などと思ったりもした。
ちょっと期待しすぎたか。
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▼次へ トロイ 投稿日:6月6日
●トロイ
悪くないんだけど、なんだろうこの大味感。
勿論、戦いのシーン・CGは凄いし、ブラピと
ハルクの人(エリック花)は格好よく
描かれていて魅力的なんだけど。
昔みたスペクタクルな歴史大作にくらべると
なんだか物足りない。
好き嫌い別れそうな感じするね
私は長く感じてしまった。
人間の描き方がふに落ちないというか。
女性の演出がいまいちだったなー。
オーランドブルームもヘタレな役で
かわいそうでした。
「はあ?」と想ってしまう部分が多かった。
とくにトロイ王子の弟と駆け落ちする女性(主演女優)の描き方が中途半端。途中、彼女が王子にも恋しているのか?というそういうカットもあって、すわ4角関係かとも思わせる展開??。でも違ったし。すっきりしない。
もっと美しく描くなら美しく描くべし。
彼女を邪悪な悪〜い女性として描けば、
ドロドロな展開でおもしろかたのに。
ま、私てきには、この映画の見所は、
ブラピの肉体美でしたね。
相手国の巫女とベッドシーンがあるんだけど
「おおお。もっとみせろ〜」って、
女の方でなく、
ブラピの裸を見たがっている自分がいた。
こりゃ、やヴぁいすか(笑)
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▼次へ 下妻物語 投稿日:5月30日
●下妻物語
なんんちゅーキテレツ。
ちょーすげー。ちょー笑えるー。ちょーありえねー。ちょーヘン、ちょーちょーちょーな映画だー(笑)
深田恭子ちゃんのロリ―タファッションもちょーかわいー。土屋アンナのまじめ時代、ちょーいけてるー。
彼女もかなり美人だよー。ちょーきれー。
てことで(笑)。
茨城県のど田舎・下妻に住む、夢見がちな超マイペースロリータファッション大好き女子高生が、原チャリでかっとばす暴走ヤンキーの少女とめぐり逢い、人生とは何かを問う(?)、トンデモな映画。
いまだかつてない、ヘンすぎる衝撃。
くだらないけど、絶対面白いよ。これ。
しょっぱなから深田恭子が、
「うんこふんじゃんった」という台詞から始まるの(笑)そういう映画だよ。
なんだけれど、すんげー感動。
偏差値下がりまくりそうな、そんな低レベルで、おバカで、オ下劣な映画だけど、こういうの、だーいすき。
シュールな笑い満載の、
女同士の友情にうるってきて、
爽快な気分で映画館を出られる。
これは、10年に1本の怪作!!
とってもへんてこな素晴らしい映画なんです。
みようか迷っている人は即映画館へ!
VIVA!JUSCO!(笑)
PS.水野晴郎もカメオ出演しちゃうど級バカ映画どえす
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▼次へ 世界の中心で、愛をさけぶ 投稿日:5月23日
以前、つきあっていた彼女の親友が死に、
一緒に墓参りにいったことがある。
白血病だった。
映画やテレビだけのものではなく、
その病気が本当に存在することを実感した。
清んだ青空に立ちのぼっていく線香の煙が、
薄い雲の中に吸い込まれていくのを思い出す。
●「世界の中心で、愛を叫ぶ」みた
苦しいんですけど。
アキの笑顔を思い返すと、
どうしようもなく胸が苦しいんですけど。
眩しすぎて、儚すぎて、いとおしくて、、
無菌室の場面。
喧騒の祭りの場面が挟まれ、そのあと
ビニールシートごしに対峙する。
相手が1番辛く悲しいとき、
最高の愛を与えようとする。
その優しさが痛いくらい伝わってきて
泣いてしまった。
空港の場面。
欠航の知らせの後、アキが倒れ、朔が抱き起こす。
「アキ、もう帰ろっか?、ね?」
「行けないの?」
「行けるよ。この次」
「・・・・ないんだってば。この次なんてないんだってば。まだ大丈夫。まだ大丈夫だよ。生きてるよ。まだわたし、生きてるよ・・・」
意識を失ったアキを見て朔が叫ぶ。
助けてください。
・・・助けて下さい。助けてください!
もうそう叫ぶしかない。
神様、どうか助けてください。
どうしようもない袋小路に追い詰められて
彼は叫びつつける。
大人になってもずっとずっと・・・
あの日見せた泣き顔
抱き寄せた肩のぬくもり
思い出す度に胸が苦しい
とにかく。
アキ演じる長澤まさみちゃんに
やられてしまいました。
理屈じゃありません。
アキの演技の全てに脱帽です。
台詞を言うタイミングが絶妙。
巧すぎる。
そして行定勲監督の演出。
篠田昇の揺れるカメラもあって師匠・岩井俊二の
影響は消えないけど、逆にいえば
助監督だった映画「loveletter」のアンサー
/行定監督自身の"後片付け"なのかなとも思った。
結論としましては。
泣きまくりですよ。
見終って目が真っ赤になってしまったよ。
亜紀のテープの声にノックアウトです。
それを聞きたくて
実は2回みてしまいました。てへ。
こんなあざとい泣かせの映画に
感動してしまうなんて、
恥ずかしすぎるぜ>自分よ〜〜
PS.この映画の公開中、撮影監督の篠田昇氏が亡くなった。癌だった。52歳。
白みがかった光が差し込めるトーン、心の動きを表すかのような揺れるカメラ、クレーンをつかった突き放したような長回しなど、特徴のある篠田ならではの映像。もう見られないのかと思うと残念で成らない。
ラブレターの中山美穂の表情や花とアリスの蒼井優バレーのシーンの映像も忘れられない。とにかく大好きなカメラマンだったのでショックです。
彼はこの映画を撮っているとき、既に体の具合はよくなかったようです。どんな思いでこの作品を見つめていたのだろう。
合掌。
追記:映画の中で、柴崎コウ演じる律子の心情はいまいち伝わってこなかった。しかし映画のノベルズ版ともいえる『指先の花・律子の物語』をよんで、映画の律子の行動の意味が少し分かった気がする。
〜ノベルズの内容〜
律子と朔の出逢いは、彼女が偶然見つけた自分と同郷の男性が経営する新宿のバー。
律子は保険勧誘の仕事をしていて、たまたま手品が得意だったことから、それを利用して成績を上げていた。
お店でそれを披露しているとき店の隅のいた朔が律子に声を掛けた。朔はマスターと幼馴染で、彼もまた律子と同郷だという。
朔とつきあいはじめてしばらくして律子の妊娠が発覚した。それを朔につげるとあっけなく「結婚しよう」という。
律子と朔は確かにお互い惹かれ合って、特別な感情を持ってはいたが、朔の心はどこか閉ざされたままだった。結婚するというのに朔はなにか心に空洞を抱えたまま。
結婚することが決まり引越しの準備で、自分の部屋を整理していた律子は、昔のカセットを見つけてショックを受ける。
テープの内容をl聴いて見ると「あたしもうすぐ死ぬと思う」という声が吹き込まれていたのだ。
それは小学の頃に、アキという女子高校生から預かっていたテープだった。
アキは当時律子の母親と同じ病院に入院していた。その病院で母のお見舞いにきていた律子と(手品の上手な)アキが仲良しになったのだ。
アキはそのテープで誰かと声の交換日記をしいていた。律子は病気で動けないアキの変わりにテープを相手に渡す橋渡し役だった。
しかし律子の母親が急死してしまい、そのショックから、この重要なテープを相手に渡せずにいたのだ。
いまのいままですっかり忘れていた。テープの内容から、もしかしたらアキは死んだかもしれない。この最後のメッセージを律子は相手に渡せなかった。
律子はアキとその人の繋がりを断ち切ってしまったのかもしれない。律子はその重要性に気づき、田舎に帰って、そのテープの相手を探そうと思った。
十年以上たっていまさらなんの意味があるのか。しかし結婚することに不安を抱えていた律子は衝動的に田舎に行ってしまう。失われたなにかを捜し求めるように・・・。
律子は田舎を訪れ、アキの交際相手を見つけようするが途方にくれてしまう。
そこで律子は、アキから置いてくるよう指定された場所、そのテープを届けていた場所であるアキの学校のゲタ箱に行ってみることにした。
そのゲタ箱の懐かしい場所をよくみると、なにか針のようなものでひっかいた、古い傷跡が残っていた。ホコリを拭いてみてみると、ある人の名前が浮かび上がった。
なんとそれは朔の名前だった・・・
という感じで進むのだ。
映画では、ノベライズにあるもっとも重要な律子と朔の出会いがカットされている。これがラストの伏線に効いているのに・・。
律子と朔の出逢いのきっかけはアキが律子に教えた手品である。まさにそれはアキが律子にくれた贈り物。
それが律子と朔に運命的な出逢いを作り出した。
朔は、最後に逢おうとしなかったアキの気持ちがわからず、大人になっても、ずっと引きずっていた。それが朔を苦しめていた心の空洞の理由だった。
しかしその答えが、最後のテープに綴られていたのだ。それが律子から朔への時を越えた贈り物。
「私の灰をウルルの地でまいて、そしてあなたはあなたの今を生きて」と言い残して、アキは、朔の大人になって、結婚して、未来を生きている元気な姿を夢見て、死んでいった。
「あなたはあなたの今を生きて」。
それが最後、彼女が朔に会わなかった理由、アキの気持ちだった・・・。
ツボワード:
天国ってのはなあ、生き残った人間が発明したもんだ。
そこにあの人がいる、いつかまたきっと会える、そう思いてぇんだ。
さらに追記・関連 せかちゅ感想
★「ブラックジャックによろしく 4巻〜7巻」(ガン闘病編)。
「セカチュー」で描かれた死にゆくものの想い、残されたものの想い。それに共通する想いが描かれています。よかったら読んでみてください。講談社コミック。1〜8巻セット
★赤塚祝子の「無菌病室の人びと」(集英社文庫)。
血液疾患専門の女医さんが書いたエッセイ。白血病にまつわるエピソードが多く描かれていて、アキのような女の子の話などが綴られています。
★「永遠の愛を誓って」。宝島社文庫。
そのまんまセカチュー実話版です。残酷で壮絶な、それでいて愛に満ちた内容です。本屋さんで立ち読みしただけで泣きそうになりました。なにもいうことはありません。うううう。
★「無菌の国のナディア」
某巨大掲示板に、白血病の患者さんがその闘病のさまをネットに書きこんでいました。
★その他関連映画
・『ある愛の詩』・・白血病を題材にした恋愛映画の基本。
・『つきせぬ想い』・・・やはり病床では怒り、悲しみ、泣き叫ぶのです。悲しすぎます。香港映画。
・『八月のクリスマス』・・・渡せなかった手紙に大切な想いがこめられていました。韓国映画。
・『マイフレンドフォーエバー』・・・決して忘れることの出来ない親友との思い出が描かれています。
・『ウォークトゥーリメンバー』・・・主演のマンデームーアの魅力が長澤まさみとかぶります。内容も似てます。
・『小さな恋のメロディ』・・・少年と少女のピュアな恋。アキの好きな映画。必見でしょ。
・『ベンハ−』・・・アキの好きな映画。難病で苦しむ女性に奇跡がおきて、病気が治るシーンがあるのです。
・『君がいた夏』・・・淡い恋心を抱いた人の骨を撒くお話なのです。年上の女性の魅力。切ないピュアな永遠の果たされぬ恋。デビットフォスターが音楽担当です。
★ロケ地関連、音楽
★TSUTAYAセカチューページ
世界の中心で、愛をさけぶ 完全予約限定生産DVD-BOX
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▼次へ ビッグフィッシュ 投稿日:5月23日
●ビッグフィッシュ
ん、もう〜、とってもよい映画なのです。
ひと癖のある現実的ではない映画を撮りつづけてきたティムバートン監督だけど、ここにきて、まっとうできちんとした大人の映画を撮りました。
ファンタジーとリアル世界の融合。やさしくて、あったかくて、素敵な余韻に浸れる、なんとも気持ちのよい映画なのです。
彼の代表作シザーハンズと同様、おとぎ話ぽいのですが、実は実はそうではなく、嘘偽りのなく、現実的で、そして感動的な親子愛のドラマになっています。
ラストに集結する、息子が父親に語りかけるあのお語に泣かない人はいないんじゃないか。父と子の永遠に繋がる愛を描いた、まさに泣ける映画。
こういう映画がすきなんです。笑って、泣ける、ファンタジックな映画。本当によい映画でしたよ。うん。うん。
「フィールドオブドリーム」好きなら身とケ
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▼次へ 真珠の耳飾りの少女 投稿日:5月18日
●真珠の耳飾りの少女
オランダ17世紀の画家・フェルメールの家に
働きにきたメイドが、彼の目に止まり、
絵のモデルになるという、単純なストーリー。
フェルメールの妻の癇癪で一波乱おこるが、
盛り上がりはあんまりない。
この映画は、主人公の少女を演じるスカーレット
ヨハンソンの魅力につきる。彼女の一人舞台。
あのぼってりした唇。まっすぐに見つめるまなざし。
ちょっいと寸胴ながらもナイスなバディ。
決して絶世の美人というわけではないが、
自分が美人だと気がついていない、ぼーとした娘。
地味で目立たないけど、どうにも気になる。
男はいつしか彼女の眼差しから逃れられなくなる。
まさに魔性の女。
彼女を見つめているだけで、あっという間に
映画が終わってしまった。
フェルメールの絵の中の「真珠の耳飾の少女」と
ヨハンソンはよくみると全然似ていないのに、凄く
似てる感じがするのはなぜだろうか。
これもまたヨハンソンの魔力なのだろう。
映画のストーリ自体フィクションなのだけれど、いかにも本当にあったかのように思えくる。なぜだかとっても引き込まれる不思議な映画でした。
PS.彼女はトムクルーズの「MI3」に出演が決定したそうである。今、スティディがいないトム君は必ずや手を出すだろう。デルトロと付き合っている彼女はオヤジ好きだ?しかも彼女はトムクルーズの大ファンだそうなのだ。ほぼ100%間違いない!?
追記:彼女のMI3の出演はなくなったようである。トムクルーズはヨハンソンと面接したが、逆に(宗教的なことから?)彼女に気持ち悪がられ、ふられたようである。
→さらにヨハンソン関連!
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▼次へ 藍色夏恋 投稿日:5月18日
●藍色夏恋
台湾映画。青春時代の淡い恋を描く。
男1人。女二人。
むおおっ。これは逆「花とアリス」。
というか「花とアリス」が逆「藍色夏恋」か。
遠くから異性を見つめるという経験は、必ず通り過ぎる青春の一コマである。すべてにおいて、なんでもかんでも悩んでしまう多感な時期。
蒼い時。
透明で、瑞々しくて、ほろ苦くて、せつなくて、
その頃の一日一日は永遠のように果てしない。
プールの水面が月明かりに反射し、その影が壁にゆらゆらと揺らめく。初夏の甘酸っぱさと初恋の香りが漂い、新緑のはじけるような輝きが降りそそぐ。
物語そのものはちょっとファジーな感じ。
そこもよかった。
―以下ネタバレ
主人公の少女が、女が好きと言ったのは本当はレズでなくて、親友との友情を選んだからか。それとも本当にレズで彼女なりの男を愛せない苦悩の中を彷徨っていたのか。
ちょっとよく分からなかった。
最後に彼女の壁に「女は男が好き」と書いた意味もどちらとも取れる。
絶妙なあいまいさ。意図していないのかもしれないけれど、私にはそう感じられたのが逆によかったようにも思う。
若い頃は自分自身がよくわからない。
自分がこれからどうなっていくのかも、いま自分がどうなのかも。
そして。
この映画のもっとも素晴らしいシーンは、
自転車でシャツをたなびかせて、走り去るあの場面。
いつかみたような。。。
どこかで経験したような。。。
あのシーンにやられた。
それは、花とアリスのダンスのシーンと比することができる。印象に残るとても素敵な場面でありました。
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▼次へ キャシャーン 投稿日:5月11日
●キャシャーンみた
多くの評論家が酷評しているこの作品。一般の客からも、そこかしこから悪評が聞こえる。いわゆる映画文法からみれば、荒だらけの映画だろう。
かつての北野武の映画のごとく、殆どの人が批判しているようだ。怒りとも罵倒とも思える感想も多く見かける。
しかし、私は評価したい。
なんといっても、紀里谷監督の提案したあのビジュアル。いいじゃないか。
この映画をどのようにみればいいのかと考えたとき、まずは美術館に絵画を見に行く感覚で見ればよい。
見事な様式美、色使い、CG。絢爛たる俳優達がそのビジュアルの中で動き、色をそえているのだ。なんとも豪華じゃないか。
しかも、ミッチー。いや〜ん。もう最高!(笑)
退屈なシーンや眠くなるようなところもあったが、そういうときは、ここは美術館だと考えれば、映し出されているものが、とたんに鑑賞するに堪えられるものになる。
それに、よく批判されている脚本もよかったと私は思う。戦争の悲しさと己の愚かさ。私には伝わったぞ。そうするには勝手に脳内で補完しなければならないけど、さまざまな伏線が絡み合って、その悲劇を構成しているのが分かる。青臭い台詞も許す。
たしかに編集がよくないのか、グダグダにはなっている。が、それもまた、もっとわかり難くすれば「攻殻機動隊」並みの傑作にもなるだろうし、逆に分かりやすくすれば感動的な映画にもなりえる代物だ。
いずれにしてもこれはキリキリ(紀里谷監督)の処女作なのだ。第一作目なのだ。こんな今までにみたこともないぶっ飛んだ妙な映画、映像を低予算で作っちゃって凄いじゃないか。
まずはこれで才能を垣間見させてもらった。
彼の映画の中にこめられたパッション、鬼気迫る雰囲気。名匠といわれる他の監督達と同じような俺様的ゾンザイさがみれて今後が楽しみである。
私は水野晴郎の「シベリア超特急」が好きだけど、それに通じる、愛すべきバカさ加減といいうか、一途な情熱をこの映画の中から感じた。
はてさて。キリキリ。
この映画で彼の持ちうるすべて出し切ったのか。
完全燃焼なのか。
まだまだ他に何か作りたいものがあり、
更なる才能を見せてくれるのか。
次回作でそれがわかるだろう。
▼次へ ロストイントランスレーション 投稿日:5月9日
孤独。
孤独を感じるには、ひとり海外を旅してみればいい。孤独を感じるには、出張先のホテルの最上階のbarのカウンターでウイスキーを飲めばいい。孤独を感じるには、渋谷の雑踏のなかで、佇んでみればいい。
たとえば、一人、部屋でコンビニ弁当を食べていても孤独は感じないのに、日常から距離をおいてひとりになったとき、孤独は突然襲ってくる。
それに耐えられず、人はいつでも彷徨っている。
●ロストイントランスレーション
すべてが、ソフィアコッポラ監督の私情・私的なる体験から、感じられたことが映像に映し出されているに違いない。
異文化の中での不思議体験。
喧騒の中の静寂なる心象風景と煌びやかなネオン。
旅をしたとき気になるのは、移動中にみる奇妙にも思えるその地の建物の数々である。そして、夜の色である。
フィルムに焼きついている旅の中の出来事がなぜこんなにもリアルに伝わってくるのだろう。ソフィアコッポラの実体験を雑な映像カメラでみせられているようでもある。
自分が何をしたいのか。自分の存在とは。
孤独、焦燥、共感。癒し。諦め。。。。
普段考えないことがとりとめもなく湧き出てくる。
その映像描写。素晴らしい。天賦の才能。
言い方はヘンだが、それは岩井俊二的感覚映像。
彼の作風にかなり似ている気がする。
好き嫌いは別れると思うし、退屈に感じる人もいるだろうけど、旅の不思議な感覚を味わいたい人にはお勧めな映画であると思う。
主演のスカーレットヨハンソン。
「ゴーストワールド」の時はなんてスタイルのいい不思議美少女なんだろうと気にはなっていたけど、演技派女優として頭角をあらわしてきた。アメリカンらしからぬ陰のある存在は、今後要注目。
ビルマーレーの鬱な演技はたしかにオスカーにも匹敵する。楽しくも可笑しい。秀逸なる演技。
まったりとしてはいるけど、退屈しない。
これはヘンな日本を映している映画ではなく、ゆっくりと触れ動く一人の女性と一人の男性の、心のざわつきと小さな恋を描いているのだと思う。
期待していなかっただけに、かなり好きな映画になりましたです。
音楽も良し
上
▼次へ アップルシード 投稿日:5月6日
●「アップルシード」みた
ジャパニメーション。近未来SFもの。
「攻殻機動隊」の士郎正宗原作。
いやあ、CGとかモーションピクチャーとか
背景や戦闘シーンは凄かったねえ。なんというか
ゲームを映画化したような感じの映像です。
とにかくアニメを進化させた映像が見所なんだ
けど、うーん。人物の動きがなにか変なんです。
ゆるゆる動くのね。気になりました。
テレビゲームをよくやる人なら違和感がないだろ
うけど、あちきはやりませんからね。
で、ですね。
なんと!出てくる女性がみんな巨乳美人です(笑)
それはまあ、私としては願ったりかなったりです
けど、なんだかオタク向けの映画って感じがして
少し引いたかな。
映像の迫力に比して、本質的な中身は至って
ストレートな恋愛映画。でも近未来の世界のお話
なので、機械化した元恋人と人間のねじれた恋愛
ではありました。人間とは何か。愛とは何か。
要するに「愛は勝つ」みたいなお話なんです。
髪の毛が束で動く
上
▼次へ スクールオブロック 投稿日:5月3日
●スクールオブロックみた!!
うおぉ〜いえい〜六件ロー!!
んぎゃーす。
わじゃhかjfだyhだぎゃ♪
って。
感動したーーー!!!
なんてパワフルで、なんておバカで
なんて楽しい奴!ふとっちょのおっちゃん。
ジャックブラック。
以前「ハイフェディリティ」の感想で
ジャックブラックに注目と書いたけど、
スゲー!!大化けじゃん。
こんなに面白くて、爽快で、後味が良くて
おバカな学園映画はひさびさでしょう。
ジャックブラック先生が飛んだとき、思わず
声をあげましたよ。あっしは。拍手喝采。
バンド演奏の場面ではウルっときたし(笑)
とにかく何にも考えず、楽しめる70〜80年代
のロックスピリット満載の佳作。
音楽をしらなくったって大丈夫
肩肘張らずにお勧めよん♪
今年1番の笑える作品
上
▼次へ キルビル2 投稿日:4月30日
●キルビル2見た
クエンティンタランティーノ脚本・監督。
ありゃありゃ。結構期待していたのになあ。
前作のハードなバカ映画っぷりと音楽の使い方はそれはそれでよかった。けど、タラ特有の語り口がなかった。だから、2作目にそれを期待していたのです。
確かにタラお得意の無駄台詞全開なんだけど、パルプフィクション・レザボアドッグスのような爽快さキレがない。
ツッコミどころも少ない。
とにかくも。無駄な部分が多すぎた。
まとめて1本にして見ればけっこういけたと思う。
ストーリは巧く繋がっているのだけど、いかんせん長すぎた。だらけていた。せっかくのラストの歌詞字幕入りの「恨み節」も本作では空回りしてた。
ただ、ウマサーマンの魅力、演技の巧さを引き出せていたし、ダリルハンナの悪女っぷりもよかった。昔風の対決(ウエスタン)、演出の遊びもなかなかよかった。
それだけに余分なとこカットして1本にすれば、絶対面白い作品になっていたのになあ。
上
▼次へ イノセンス 投稿日:4月24日
●イノセンス
押井守監督。「攻殻機動隊」の続編。
カンヌのコンペにお呼ばれしたというわけで、
駆け込みで鑑賞。タランティーノが審査委員長
ということで、受賞もありえるし。
わたしは好きだなあ。
登場人物の皆が、難解な言い回しで、説教しまくり、
俳句や格言を奏でまくり〜の哲学ワールド。
最後までストーリがよく分からなかったけど、
その無駄に格調高い映像美、戦闘シーン、
そのアニメーションの全てに感嘆せざるを得ません。
日本製アニメここにありという感じです。
予告編での映像の中で流れる「フォロミー」は素晴らしかったが、本編を見終わったとき感じたのは、「フォロミー」の歌はこの映画にマッチしていないということ。なぜか世界観が違う感じがした。
音楽の川井さんの
不思議な曲のまま終わらせて欲しかった。
あああ〜は〜はああ〜。あっという曲。
って、それじゃわかんねえか(笑)
上
▼次へ クレしん夕日のカスカベボーイズ 投稿日:4月19日
●「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 」
クレしん家族としんちゃんの友人達で構成する「かすかべ防衛隊」が映画の中に迷い込み、西部劇の世界で生活することになちゃう。さて、しんちゃん達はどのように悪党を退治し、春日部に戻ることができるのか・・・・っていうお話。
いや。よい映画でした。
水島努監督も前作焼肉ロードの失敗を教訓とし、クレしん流アクション巨編を完成させた。
駅馬車を彷彿させる迫力ある追いかけっこはすごかった。最後はすこしほろ苦な感じ。
でもエンドクレジットでのしんちゃんのダンスでさわやかに終わらせてくれます。
脚本が弱いというか、もともと狙ってないのか、戦国、オトナみたいな家族愛とか大感動とかには、なっていませんでした。ラストにウルっときましたけれど。
前作に比べ、格段によくなっているので、水島監督にはさらに次回に期待というところ。
だだ、彼の描く暴力的なところが少し気になる。
人を何回も引きずりまわしたり、しんちゃんをグーでなぐったり。カンチョーで敵を倒したり。それはそれでいいんだけど、これらの描写に生理的、痛みがある。漫画なんだから、もっと見た目やさしい暴力を使ってほすい。
PS。水野晴郎ちゃんライクが登場(笑)
妄想バレ→んー。つばきちゃんはシロなのかもしれないね。ジャスティスはブッシュか?何回かみないと分からない意味深いシーンがあると思う。せつなくて、ほろ苦くて、さわやかな映画でもあった。ゆえに痛みのあるシーンが残念ナリ。最後にもっと感動させる展開も欲しかったな←
ツボ*ボーちゃんの鼻水パ〜ンチ
上
▼次へ ルーニ-テューンズ 投稿日:4月11日(日)
●ルーニーテューンズ
ワーナーのマスコット、バックスバーニー
の相棒のダフィー・ダックが大暴れする、
ブレンダンフレイザー主演のドタバタコメディ。
って。
ぬあんじゃこりゅあーー。
「グレムリン」「トワイライトゾーン」
「マチネー」など奇作・傑作を排出してきた
ジョーダンテ監督作品だけど、笑えねーし、
つまんねー。
高名な映画評論家がかなり絶賛していたの
だが、映画館はだーれも笑っていなかったし
どこを評価していいのか???
絵画の中で遊ぶシーンは楽しいけど・・・
それだけだよなー
俳優は、ブレンダン、スティーブマーチンは
とんでもなく無駄使いです。もったいない。
要はワーナーブラザーズの宣伝。
30分に縮小して無料で見せる映画ですよ。
上
▼次へ きょうのできごと 投稿日:4月10日(土)
いいね、いいね。好きな映画だ。
青春。ダラダラな日常。
あの頃を思いだす・
●きょうのできごと
「マグノリア」「ゴスフォードパーク」「ラブ
アクチュアリー」「ER」「DrTと女たち」など、
絡み合った人々が繋がらないようで、繋がっていく、
そういう話が好きだ。群像劇な映画が。
この「きょうのできごと」は、結局は人々が繋がっているのか繋がっていないのかもはっきりしない、若者達の1日がだらだら流されていくんだけど・・・。
でも、それだけなのに、なんでこんなに面白いのだろう。
たしかにわたしたちの学生自体もああだった。
みんなして人の家にあつまって、酒のんでクダ巻いて、女の話してごろごろして。
ちょっとした変化が物凄くおかしく、物凄く重大なできごとになる。
転んで頭をぶつけてもおかしかったし、散髪に失敗しただけでゲラゲラ笑えたし、風俗いったり、、女に振られたり、二股掛けられたり、浮気が発覚したり・・みんな超重大ニュースだった。
あのころの出来事は、些細なことすべてが強烈に可笑しく哀しくて、ふわふわした世界の中で幻想を追い求めながら暮らしてた。
この映画はまさにそれだ。
あいかわらず、よわよわきゃらの妻夫木。
強気な池脇。大阪弁へ挑戦の田中麗奈ちゃん、
名優伊藤歩たん。役者たちは、みないけてます。
特徴がなくて人に薦めにくいけど、
面白かったと確実に思えるんだよね。
恋愛劇もキュンキュンするわけではないし、
ただそれだけなんだけど、だけれど面白かった。
監督の行定勲も、岩井俊二から脱皮して
新境地のような世界を作りつつある。
そういう意味で「世界の中心で愛を叫ぶ」も注目。
予告の出来のよさもあいまって大期待。
(予告で号泣!)
上
▼次へ 殺人の追憶 投稿日:4月9日(金)
韓国では2003年興行収入1位の作品。
記録は「シュリ」や「JSA]などを大きく上回った。
これは、未解決連続暴行殺人を追いかける
刑事たちの実話ドラマである。
あのラストの表情。
何ともいえぬ想いが詰っている。
画面に向かったソン・ガンホの表情に
言葉に説明できない感情が去来する。
それを見て
なんにも感じなかったなら、この映画は
たんなる凡作としかみえないだろう。
怒り、哀しみ、苦しみ、やりきれなさ
絶望、ショック、悔恨、むなしさ、
自らへの嘲笑・・・
心に奥深く残る余韻と田舎の風景が
巧くマッチしていて、さらにすべての
ものごとがあの表情に集約されている。
ゆえにまさしく。秀作なり。
これはかつての古きよき日本の映画(ATG系)、
TVドラマなどを彷彿させるよく出来た
作品だと思う。
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▼次へ 恋愛適齢期 投稿日:4月8日(木)
●恋愛適齢期
見るつもりはなかったけど、
時間があってしまったのでみた。
これがですね。
結構よかった。
とにもかくにも。ダイアンキートン。
いやいや、さすがであります。
老年にさしかかった女性の内面の動きを
喜怒哀楽をこめて演じる様は圧倒にはされました。
あの笑いに入るタイミングなんて演技とは、
思えない。熟達した演技、まじで巧いです!
恋愛映画ファンの方々においては
「恋人達の予感」などのエフロン脚本系の作品を好きならば大丈夫でしょう。かつてのロマコメを思い起こさせる上出来の仕上がり。笑えて沁みるアダルティムービー。
だがしかし。
恋をするカップルは酸いも甘いも噛み分けた50歳女性、60歳男性の組み合わせ。ジャックニコルソン(1937生まれ)VSダイアンキートン(1946生まれ)。
ベッドシーンもきっついといえばきっついけども
それはそれで、もう。許します。
あれは「あり」とわたくし了解いたしました。
ちょいとキアヌの硬い演技が足をひっぱった感はあるもののニコルソンのゆるいお尻、キートンのバストぽろりなど笑えるヌードもサプライズヒット!(笑)
これはいろんな年代のカップルにいいんじゃないでしょうか。見終わった後、語れるネタが満載です。
そして。そう。
恋愛に年齢は関係ないのです!
出逢ってしまったら迷ってはいけません。
恋をしましょう♪
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▼次へ クイール 投稿日:3月27日(土)
●「クイール」みた
人は悲しみを経験するとやさしくなれる。
そして別れや悲しみによって自らの弱さ、
愚かさを知る。
「クイール」は、盲導犬の一生を描いた
映画で、そして多分、盲導犬の一生としては、
よくある話だと思う。
映画としても、いまいち起伏がなく、
淡々と描かれていて、それほど泣ける映画
でもない。完全にお子様向けだろう。
けれど・・・
誰もが経験する別れと悲しみ。
わたしはこの映画を観ながら、子供の頃
の祖母との別れを思い出した。
嫌いだったはずの肉親の死。
煙になって、骨だけになって初めて
強烈な悲しみに見舞われた。
なぜ自分はやさしくできなかったか。
なぜもっと生きてくれないのか。
後悔と悲しみ。
自分の寿命をあげるから、
生き返って欲しいと願った。
いなくなってから気がつく、
自分の愚かさ。
この映画の中で描かれる「クイール」という
盲導犬とその周りのひとたちの人生は、
わたしたちのありふれた一生に似ている。
必ず経験する別れと悲しみ。
この映画はわたしに、
大切な人を失ったときの気持ちを、
改めて思い出させてくれた映画でした。
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▼次へ マスターアンドコマンダー 投稿日:3月21日(日)
●マスターアンドコマンダー
ラッセルクロウ主演。
イギリスとフランスが、激しい海上覇権争いを繰り広げていた19世紀。たくましく生きる少年と伝説的な名艦長を壮大なスケールで描く。歴史戦記の映画化。
2004年オスカー作品賞ノミネート。撮影賞、音響賞受賞。監督は「いまを生きる」「ジョンブック目撃者」のピータウエアー。
船上での迫力ある戦闘。人間ドラマ。勇気と友情、忠誠と献身。ムッチャ男臭い。まさしく体育会系の映画と言えるでしょう。理屈を言うな。俺について来い。そういう映画だ。しかも最後まで見逃せない展開。
ググッとくる場面も多いし、思ったより楽しめた。でも、正直言えば、迫力ある戦争(人殺し)の映画は、LORingなどで、もう食傷気味。とっても力作なのですけれども。
ピーターウエア監督に関しては。
彼の「ジョンブック目撃者」が、凄い好きです。
この「マスコマ」は、見ていて、彼のオーストラリア時代の監督作品「誓い」(メルギブ主演)を思い出した。あれは「走れメロス」チックな、なかなか良く出来た戦争映画でした。
ツボ*ガラパゴス〜
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▼次へ 花とアリス 投稿日: 3月20日(土)
意外に評判がよいねー。映画「loveletter」の高校時代のストーリーをコメディにした感じ?です。
●花とアリス
少女漫画。メルヘンチック。
というよりある種のフェチがふんだんに展開した岩井俊二監督の趣味的映像が炸裂してる。
その女子高生を眺める映像は、美化され、いとおしさ、美しさ以外に、妖しさも醸し出し、独自の岩井ワールドを発展させている。
前半戦。あまりにオタク視線、ストーカチックな少女達の映像は生理的に嫌悪感というか気持ち悪ささえ覚えるのだが、終盤にかけてそれがだんだんにピュアに、そして耽美的にも思えてきて、ふわりとした靄の中に引き込まれていく不思議。
主演の女優蒼井優、鈴木杏、二人の対比で物語が進んでいくのだが、アリス役の蒼井優への、熱くて、優しくて、鋭い視線・映像がこの映画の殆どすべての魅力と言っていい。
それはみている男たちに、言葉では決して伝えられなかった淡い想いを反芻させる。遠巻きに追いつづけけていたあのころの視線。同時に父親からみた視点にもなっていて、絶妙に男心をくすぐる。
静かに、そしてだんだんと心が高鳴っていき、それはバレエのシーンで最高潮に達する。
息を呑む。時が止まる。
涙が出そうになりそうなその舞は、岩井視線の真骨頂映像。意味なく美しい。乙女チックな映像を見る気恥ずかしさも、もうどうでもよくなる。
見ている男達はみな、その世界に入り込んでいく。
大沢たかおが見ている世界。女性はヒロスエ涼子のようにドアの外へおいていかれる。
それ以外の女は入ってくるな!
まるでフィギアを眺め至福のときを過ごす、そんな妖しい男の世界である。
岩井監督の手腕。
ものすごく可愛くも、格別に綺麗でもない、普通の女の子をこれほどまでに魅力的に描けるというのはやはり才能なのだろう。もちろん、蒼井優のキラキラ光る原石のような美しさがあってこそ、それが発揮されるのだとは思うが。(ちょっと訂正:タイガーアンドドラゴンとかみると蒼井優ちゃんやっぱ可愛い〜)
冷静になってみて、編集というか繋がりがあまりよくないのではないか、と思う。父親とのエピソードなども良かったのだが、全体のバランス的には、とってつけたような印象があった。通してみてチャプターが分断されているように見えるのは、これがキットカットの企画もののCFのつなぎ合わせだからであろうか。
脚本をジックリと練って、男優を粋のいい役者にして、杏ちゃんをもう少し綺麗に撮れていれば、文句はなかった。
でもやっぱり。岩井監督には、まだまだ期待できそうです。
ツボ:音楽。全編、岩井俊二か、才能あるな〜。ウォ〜アイニー♪
上
▼次へ ホテルビーナス 投稿日: 3月9日(火)
いろいろと他の掲示板を覗いてみると、かなり極端な
反応です。絶賛か酷評。これは注意です。
●「ホテルビーナス」みた
ダーレンアロノフスキー監督の「レクイエム・フォー・ドリーム」を模したかような特徴ある編集、音使い。カットバックの仕方が特異なCF映像のよう。斬新かつ新感覚。
かなり実験的な感じ。
「なんなんだ、これは。大丈夫だろうか」
と戸惑いながら、見つづけた。
邦画であるのに、すべてが韓国語で織りなされ、ホテルビーナスに集っていく訳ありの人たちの人生模様が徐々に抉り(えぐり)出され、それぞれが悩みながら、苦しみながら、少しずつ癒されていく・・・
かなり、人を選ぶ映画かと。見てる観客たちは結構引いていた、かな。あんまり泣いている人はいないようだった。映画館での反応はいまいち悪かった。だめな人は退屈極まりないのでしょう。
でも、わたくしといえば・・・
やられた〜°°・(>_<)・°°・
演出側が泣かせようとしたいその場面に、まんまと泣かされてしまいました。デスペラードの歌詞の意味を「インアメリカ」で学習していたので、ラストに流れるそのピアノの旋律でもやられてしまった。
傑作とか、お勧めするとか、いえない。中だるみもするし、ビデオでみたら途中で投げ出したかもしれない。クライマックスの喧騒のシーンの少女の顔なども、なんとかならないか、とも思った。いろいろ文句をいいたい場面もあった。
だけど、私は胸をわし掴みされてしまったのです。
とにかく。
企画した側の思惑に完全にやられた。
作り手側の熱さ。
それが私には感じられたからなのだろうと思う。
だからあっしはむちゃ評価いたしますよん♪
ツボワード:お釜のビーナスのセリフがよかったね
上
▼次へ 許されざる者 投稿日: 3月9日(火)
いまさらこの名作を見たのですが、ある意味イーストウッドは、ここで黒澤明監督の域に達していた。というか、深い共通項を感じました。
無常観。死。生きること。不条理、裁き、許し・・・。
正しい答えなど、どこにもない。
善と悪について。本質、正義とは何なのか。
そういう問いかけが、映画全体に覆っている。
それはミスティクリバーにも継承されているもの。
アンチハリウッド的。いろいろ考えさせられるね。うん
上
▼次へ ロードオブザリング王の帰還 投稿日:3月9日(火)
みました。
壮大な映画絵巻の最終章。
お疲れ様でした。
フロドたん。そしてサムやん。
もーサムやんが主役ってなぐらい頑張って
くれましたね〜。本当に熱演でした。
旅の仲間もよくやった。
それしか感想がでません。
ブレインデッドでB級ホラーをやっていた
ピータージャクソンがなぜこんな映画が取れるのか?
不思議だ(笑)
でもいーんです。これでいーんです。
なんだか分からなくても、いーんです。
めまぐるしい展開。押し込み押し込み。
勢いでつっぱしり、押し切った。
とにかくみんなお疲れ様〜。(自分もね〜)
ツボワード:指輪の重みは背負えないけれど、
あなたを背負うことなら出来ます!ぬおお〜
byサムやん(←なんで大阪弁?
上
▼次へ ゼブラ-マン 投稿日: 2月20日(金)
格好悪い、格好よさってあると思う。
●「ゼブラーマン」みた
うふふふ。やってくれました。
嫁は不倫、娘は援交、息子は自分のせいでいじめられている。主人公はどうにもさえない小学校の先生。しかしてその実態は、正義のヒーロー、ゼブラ-〜マン!宇宙怪獣から、いかにして地球を守るのか?ガンバレ、ガンバレ、ゼブラ-〜マン!
そんなわけで(笑)
なんといってもクドカン脚本、三池監督であります。三池監督といっても残酷、血だらけ、暴力、変態、エログロ、そんなやばい描写はありませんよ。この映画は三池の凄み、クドカンの可笑しみが融合して、なんともストレンジな仕上がりになっております。(いい意味で)
想像できない展開、想像できぬ演出。めちゃくちゃな映画という人もいるでしょう。B級CGも安い出来です。だけどもわたくし、最後にはもう感動してしまいました(笑)
終わった瞬間、にやり。そして、あのエンディングのハイロウズの歌に元気がみなぎってきました。ホントに元気の出る映画。
劇中にあるさまざまな映画のオマージュも気がつく人もいればいいし、気がつかなくてもいい。おバカ映画とあえて分かった上で楽しむことが出来る方にお勧めです。決してまじめにみてはいけません。なんでもあり。妙なつっこみは粋じゃあない。全部受け入れて見るが、吉です。
んで、全てひっくるめた上であえて言わしてもらいます。
ゼブラナース!最高!(笑)
ツボワード:ムー。浅野さん。スイカに塩。anything goes.参)Zak記事
上
▼次へ ラブアクチュアリー 投稿日: 2月18日(水)
●「ラブアクチュアリー」みた
いっぱいいっぱいの恋愛物語が詰っていて、感想が書ききれない。なんちゅーか、ぎゅぅ〜っときて、うるっときて、くー、って感じなんです。
特に結婚式ビデオのエピソードがきたなあ。ああいう想いってあるし、それでいいんだなってね。求めるんじゃなくて。与えて与えて、思いを伝えて。それでいい。それだけでいい。そういう片想い。
これを含め巧くいかない3つのエピソードは出色、というか胸が痛い。悲喜こもごも。もうAll you need is loveを聞くだけできゅるきゅるしてきます。わたくしこういう映画には泣かずにはいられないのです。
だから。いってしまいましょう。すきだ〜!!、このえーが〜。だってヒュ-様が首相って設定からして笑えません?それにこんなにたくさん心が揺れる映画ってあんまりないでしょ?クリスマスに何かを伝えるのってとってもとっても素敵だよね?
やわらかくて、あったかくて
色とりどりに輝いたいろんな形をした宝石が、ぎっしりとつまった宝箱のような映画
失恋した人へ
愛し合っている人へ
泣いてる人へ
笑っている人へ
苦しんでいる人へ
最後は優しさが溢れてくるよ
胸が押しつぶされそうさ
恋ってそういうもの
いつまでたっても男には女がひつよう
女には男がひつよう
らぶ♪
ツボワード:なっち語字幕。「かもだぜ」登場
amazonのレビュー見る?
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▼次へ ファインディングニモ 投稿日:2月15日(日)
●「ファインディング・ニモ」
まさにピクサー製作。だから。間違いない!
「トイストーリー」「トイストーリー2」「モンスターズインク]の系統が好きなら大丈夫。心温まるハッピーエンドになっております。例のごとくの例の仕上がりです。
今回は、お父さんが、行方不明になった息子を探し回るお話。なんったって主人公はお魚さん。熱帯魚であります。息子を必死に探し回る様に、もう胸が熱くなります。じんじん。
他のピクサー映画と比べてみますと、モンスターズインク、トイストーリーのほうが好きかなぁ。それにオスカーには、少し物足りない。深みがあまりないのです。
まあ、十分楽しかったので問題はないのですけれども。
上
▼次へ 赤目四十八瀧心中未遂 投稿日:2月15日(日)
●「赤目四十八瀧心中未遂 」
キネ旬2位。毎日コンクール大賞受賞。
寺島しのぶが各種主演女優賞を総なめ状態。
うーむ。なるほど、久々に邦画らしい邦画をみたという感じです。まった〜りと暗い映像でじめじめ、じわじわゆっくりとしたテンポでの映像、堪能いたしました。
で、まず思ったのは、大楠道代が凄い。前半は彼女が主演女優。「座頭市」でもそうだったがあの手の演技はピカイチです。全ての助演女優賞を与えてもいい。
一方、寺島しのぶは、それほどでもないかな。おいしい役どころだが、各賞総なめには疑問。他にも池脇千鶴ちゃん等、名演した女優もいたではないか。
あ。でも。しかーし!
実は寺島さん。すごかったのでう。
濡れ場が。
あのエロシーンの迫力は、池脇たんやトキワちゃんでは到底出せぬ。たった20秒くらいのエッチなシーンにわたくし興奮してしまいました。あの20秒で主演女優賞なのだな、と私は今、こくりと納得しています。
「蜜愛」で私の野望を打ち砕いてくだすった、キムユンジンさんも、しのぶさんのような瞬間のエロをだせるような、立派なエロリストとなって欲しいものです。
って、、何をいっているのだ。私ってば(笑)
いずれにしても!
今後期待できるとは思いますが、主演男優(新人)の演技があまりにもダメでしたし、展開や演出もまたりしすぎの3時間弱で、さすがの私も疲れたのであります。好き嫌い別れますよ、これは。
上
▼次へ 嗤う伊右衛門 投稿日: 2月 8日(日)
●「嗤う(わらう)伊右衛門」みた
世界の舞台演出家、蜷川幸雄が監督。原作は四谷怪談を脚色した京極夏彦の小説。
はっきり言ってしまうと明らかに失敗作。出演した俳優もこの映画をみて満足してないはず。(役者が熱演しているからそう思えてしまう)
場面場面は素晴らしいものがあった。池内博之の異常なる殺気に満ちた演技。唐沢寿明の深とした演技。小雪の狂気に触れた軒下をかけ抜ける演技。
どれもがすごい演技演出だが、全然全体のバランスに溶け込んでいない。監督の意気込みがシーンごとにまばらだし、空回りしている。
それに台詞回しが難しいのか六平直政や小雪もうまくしゃべれていない。特に小雪の「なんじゃ、なんじゃ」「嘘じゃ、嘘じゃ」の部分は見てて恥ずかしくって鳥肌がたった。全てに舞台がかった演出も違和感アリです。
無駄に残酷なシーンもただ気持ち悪いだけで京極夏彦の世界を曲解している。あげくストーリもうまく伝わってこないのだから、ダメダメdesu。
「青の炎」が耽美的で詩的な私ごのみの作品であり、蜷川監督の可能性を感じさせてくれていたので、ちょっとショック。
その中では、香川照之がぴか一の存在感。蜷川監督の映像感覚は好きなので、次回作に期待したい。
上
▼次へ シービスケット 投稿日:2月 8日(日)
完璧すぎると人は不安になるのだ。
あまりに良い映画すぎると落ち着かない。
いろいろ考えてしまうのだ。
●「シービスケット」見た
ああ。これは完璧だ。
アメリカの良心。古きよきアメリカ。
頑張れば希望が待つ世界。
偶然出会う失意の3人。
馬を通じての心の交流。
絶望、挫折からの復活。
たしかに感動します。
これは多くの人にお勧めしたい。
文部省選定、農林水産省(競馬の利権省庁)推薦的。馬が走る迫力、ひたむきさにはみな感動するはず。
あまり映画を観ていない若い人に是非見てもらいたい。こういう映画を観て大人になって欲しい。邪悪な映画、一癖ある映画を見るのはそれからでもいい。
欠点は、完璧すぎることだ。
ストレートな、感動物語。
だから。
だからこそ長く感じてしまった。
あのすっと消えゆくラストは素晴らしい。大恐慌を乗り切って、勢いよく突き進んでいく前向きな姿勢は見習いたい。
が。
少し考えるとその行く先がパッピーに思えない自分があまり好きではない。
そう。あの後、アメリカには大きな戦争がまっているのだ。でもそんなその後の大戦のことなど考える必要なぞない。無駄なことを考えないで映画を楽しむべきである。
とにかくも。この映画は良作であり、傑作であることは間違いない。
ただ...完成されすぎてるのよね〜。う〜ん。あとは、浜村純の解説に任します。→「夢と勇気をありがとう!」
●ラブストーリー
「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督作品。
期待してみにいきました。泣ける、号泣ものだと
聞かされていましたし、予告編もよかったので。
雰囲気は好きです。
カーテンが風で揺れる映像なんか美しかったな。
そして、日記。手紙。純愛。
ハーレクイーンロマンスの世界・・
でもなんとなく、乗れなかった。
ウルウルする場面はあったものの泣けなかった。
強引というか、ちぐはぐな感じがして。
猟奇的〜でも思ったのですが、シーンのつながり
が滑らかでないんですよね。
過去の母親の初恋の話が、現代の娘にどう影響を
与え繋がっていくか。。。という話なのですが、
たとえば、戦場のシーンやショッキングなシーン
なども唐突感が否めなかった。
クライマックスの対面のシーンが、分かりにく
かったのも残念だった。
とはいえ、主演ソン・イェジンのちゃんの麗しい
立ち振舞い、物思うしぐさ、大きな瞳、彼女を
みているだけでも十分見る価値はありました。
音楽もよかったです。
上
▼次へ リクルート 投稿日: 2月 2日(月)
●リクルート
おお!これはむちゃ面白い!!
サスペンスとしては、昨年の「インファナルアフェア」
にも匹敵しますね。スリル、アクション、心理戦。
ハラハラドキドキ。
言うなれば、「シュリ」+「スパイゲーム」÷2の
ような内容です。うーん、ちょっと違うかな(笑)
なんといっても脚本いい。
映画の素人の私でも脚本がいいと感じます。
CIAにリクルートされた若者が、そのスパイになる
訓練を受けていくのだが、しかし・・・。
おおっと、これから先は、何もいいたくない。
是非見てほしいです。ビデオでもいいけどね。
あっと言う間に引きこまれ一気に見せられた、
興奮の二時間。最後まで緊張感たっぷりで見
せてくれます。
コリンファレル、アルパチーノの競演。
お勧めです。
追記:あらら。結構面白かったと思ったのに、少し時間が経ったらどんな話かも忘れてしまった(笑)。
見終わった瞬間は、かなり心地よい満足感だったのに。B級・良質のジャンクムービーといえるかもね。
上
▼次へ 「精霊流し」 投稿日:1月30日(金)
●「精霊流し」見た
原作は、さだまさしが書く自伝的小説である。
その小説をなんとあの浅田次郎が、絶賛している。
監督は、秀作「化粧師」を撮った田中光敏。
「化粧師」がかなりよく出来た作品だった為、
期待しすぎたかもしれない。
残念ながら「精霊〜」のほうは、いまいちだった。
編集が巧くいってなかった気がするし、伏線も
生かしきれていなかったようにも感じた。
尚、主人公演じる俳優が、さだまさしそっくりである。
髪の毛がやばくなりそうな所まで似ている。さらに子役
までさだまさし似だ(笑)
でもそんなことはどうでもいい。
私はこの映画に打ちのめされてしまったのだ。
この物話は私の想像を越えいた。
この話が心に強烈に響いて来るのは、それが、さだまさしの人生そのものだからだろう。彼の青春を切り取って描いているその事実が凄い。
その内容は、映画化したとき、けっして追いつかない。いや追いつけない。人の生き様というものは簡単には映像化できない。
この話が実話ならば、さだまさしの業を背負った人生に驚かされる。この「精霊流し」という歌の奥底にある想いに涙せずにはいられない。
「解夏」が長崎の街並みを中心に描いた映画ならば、「精霊流し」は長崎の人を中心に描いた映画といえるだろう。
しかし、そこに隠された本当の「長崎」はただ単に美しく、人情味が溢れ、一度いってみたい、では済まさせない歴史がある。長崎という街。その街そのものが業を背負って存在している。
その業が、主人公に背負わす行は限りなく重い。
映画が終わって場内が明るくなっても、私を含め数少ない観客の「全員」が、しばらく立ち上がれなかった。泣いている人もいるが、みな黙ったままだ。心震えるさだまさしの青春風景。
感動とか涙とか軽軽しく言い表せない。
彼の育てられたその背景に心から手を合わせたい。
そして彼の母たちに、合掌。
上
▼次へ 解夏 投稿日: 1月24日(土)23時10分27秒
●「解夏」みた
この映画は、主人公の青年・隆之(大沢たかお)が、
徐々に視力を失っていく病気に罹り、
郷土に帰って、恋人や家族、友人に励まされながら、
その宿命を受け入れていくという話である。
目が見えないということは、必ずしも不幸ではない。
乙武くんが、たしか、このようなことを言っていたと
思う。(間違っていたらすまん)
「障害者は、不便だけど、不幸じゃない。
不幸だと思ってる人ほうが、よっぽど不幸だ」、と。
隆之にとっては、目が見えなくなるということより、
いつか見えなくなるその恐怖に耐えながら生きていく
時間のほうが辛いのだと思う。いっそのこと、すぐに
目が見えなくなったほうが、諦めもつくし、割り切る
ことが出来るからだ。
映画の中で坊さんが、こう説く。
「それがあなたの行だ。必要な修行である。
目が見えなくなったら、その苦しみから解放される。
そのときがあなたの解夏だ」
だから隆之は必死に出来ることをしようとする。
しかし思う。主人公にとって、もっと辛いのは、彼の
周りの人が、目が見えなくなってゆく自分の恐怖、
絶望を斟酌(しんしゃく)し、勝手に悲しむことなの
じゃないだろうか。
この映画のなかにいるのは、やさしい人ばかりだ。
現実はもっと汚く、醜く、痛い世界だろう。
「ジョゼ」のようになるはずだ。ある意味で主人公は
恵まれているようにも感じられた。
演出の手法に関して、狙いすぎのショットやわざと
脅かすようないまいち稚拙に感じる演出があり、少し
興ざめした部分もあった。
ただ、長崎の坂道、遠映、大沢たかおのカッコいい立ち姿、石田ゆり子のぴちぴちパンツ、濡れシャツ等、見所も多々アリますのでファンなら十分楽しめるのではないでしょうか。
関連映画 「至福のとき」感想
上
▼次へ ジョゼと虎と魚たち 投稿日: 1月19日(月)
男は引きずる。振られた女にいつまでも未練を残す。自分から振った相手でさえ嫌いになれない。男はいつまで経っても過去の女を思い返す、情けない生き物だ。
而して、女は割り切る。次の男が出来て自分から振った男のことなんて、すぐに嫌いになれる。別れたくせにすがりつくような男は二度と顔も見たくない。女は過去の男を一つ一つ断ち切って、しっかりと未来に向けて歩く現実的な生き物だ。
例外もあるだろうが、大概は、そうである。
●「ジョゼと虎と魚たち」をみた
(ネタバレ注意)
あの終わり方に何を見出せばいいのだろう。
希望だろうか、現実だろうか、むなしさだろうか、
やりきれなさだろうか。見終わってしばらくたった
今でも、苦いものが残っている。ずっと引きずって
しまっている。
主演の妻夫木くんの気持ちを分かる自分が嫌になる。
男とはそういうものなのだ。泣き崩れる彼の気持ちが
よくわかってしまう自分が嫌だ。
途中まで、テンポもよく、せつない恋物語の語り口は、秀逸である。とてもよい。見ていても爽やかだ。
だが後半、彼女の心のざわつきとともにテンポが落ち、男の気持ちを表現するかのようにダレれていく。そしてある結末にむかって徐々に進んでいこうとするのは見ていて辛い。
ジョゼが海に向かおうといったその気持ち。
海ホテルで独白していたその気持ち。
男は道端でふいに思い出すのだ。
あの時に、彼女はこう思っていたのか、と。
そして自分の情けなさを実感する。
さらには彼女がかわいそうだと思うのだ。
だから突然泣き崩れるのだ。ふとしたことから、あのときジョゼは悲しい想いをしたのだ、あのときジョゼは辛い想いをしたのだ、と唐突に蘇ってきて理解してしまうのだ。
それはナルシスティックで偽善的なものかもしれない。理想を捨て、現実を選んだ男はいつまでも後悔する。自虐的な想いと幸せだった日々を引きずりながら・・・。
では、ジョゼの想いは、どうなのだろうか。
私の偏狭で鈍い男脳では想像できない。
なぜだかは分からない。最後に電動の車椅子で颯爽と街中を闊歩していくジョゼをみたとき急に胸が締め付けられた。
あの巧く出来上がった魚の焼き具合が、それが、これからの彼女の希望の象徴なのだと、そう思いたい。
上
■追・前向きなネタバレ感想)
足の不自由なジョゼが椅子から床に飛び降りる様は、まるで人魚のようです。
人魚は初めて見た人に恋をするといいます。まさに「人魚姫」のように物語は進んでいきます。ジョゼはサガンの「1年ののち」という本を愛読していました。
暗示するかのように1年の後ジョゼは彼にすてれられてしまいます。しかし、その間、活き活きと恋をし、この世で一番恐ろしいものを見ることができたジョゼは、強く成長していたのです。
ジョゼは「人魚姫」のように泡となって消えるのではなく、そして以前のように障害者として引きこもることもなく、一人で強く生きていくのです。ジョゼは、元の海の底に戻ったのではなく、新しい海で泳ぎだしたのです。
■参)「人魚姫」の内容。
人間の王子に恋をした人魚姫が、王子と結ばれることを願い、魔法使いと取引をして人間の姿になりました。
人魚姫は王子と幸せな日々を送りますが、結局王子は別の人と結婚することになってしまいます。しかし人魚姫は王子と結婚できなければ、泡となって消えてしまう取引だったのです。それでも王子を短剣で刺して殺してしまえば、また人魚にもどることができるのです。
人魚姫は自分を裏切った王子を刺し殺そうとします。けれど人魚姫は王子を愛していました。どうしても刺すことが出来ません。苦しみ悩んだ人魚姫は海に身を投げて、泡になって消えてしまいました。
■さらに思うこと)
この映画の肝はセックスです。
唐突なくらい出てきます。でもそれがジョゼにとっての虎だったのです。セックスは生きる源です。彼女にとって最も怖いもの(虎)とは、生きることを認識することでした。
セックスはジョゼに生をあたえました。本物の虎をみながら、ジョゼは恒夫に「感謝しろよ」と言います。それは、恒夫にとってジョゼが性の対象だからです。
ジョゼは男の本質を鋭く見抜きます。恒夫にとってジョゼは、倒錯した性欲の対象でもありました。タンスの中にあったSM雑誌がそれを暗示しています。一見池脇千鶴ちゃんが無駄に脱いでいる感じがしますが、そういう肝を表現したいがためにあえておっぱいをみせているのです。(多分)
また男と女、そしてどういう恋愛をしてきたかで、この映画の見方が随分違うのだろうなとも思いました。
愛は時として勘違いから始まることもある。勘違いが愛に変わることもある。この映画に描かれた恋愛、出会いと別れは、我々の普通の恋愛となんら変わりはないのです。
「彼はあなたを愛さなくなるだろう。あなたは彼を愛さなくなるだろう。そこには一年という年月が経ったという現実だけが残る。」by サガン
■それから・・・
オープニングは別れて数年経ったのちの恒夫の独白です。彼はずーと引きずっている。忘れられずにいていつまでもいつまでもジョゼのことを思い出す。いとおしくて、せつなくて、、あの熱に浮かされたような恋愛の日々を・・・
公式サイト(←flashムービー見返したら泣きそうになったよ)
あと、脚本家の渡辺あや チェキラだね
2005年正月、改めてコメンタリーつきで鑑賞。うーむ。ベットシーン前後のシーンは名シーン。泣けた。やはり胸が痛い映画でした。恒夫の気持ち、わがまま、心の揺れは女には最悪だろうけど。。でも分かる。そしてジョゼの成長っぷりがハッピーエンドなのだろうね。妻部貴君がくるりの歌絶賛してた。
サガン著「一年ののち」
さらに追記
世の中には女がいて、当然、男がいる。
ふたつの性は、出会い、惹かれ合い、すったもんだがあって、集結する。人はこれを懲りずに、ほとんど進化もなく繰り返している。
もしかしたら、人生に恋愛などなくても少しも困らない人もいるだろう。それはそれで構わないし、正直言えば羨ましいくらいだ。
恋愛が始まったころの、あの高揚感に包まれた至福の時間に比べて、その後に延々と続く、じれったさややるせなさに費やすエネルギーの膨大さときたら。
まったくもって恋愛は割に合わない。
割に合わないと知っていながら、どういうわけか人はまた、性懲りもなく恋愛に足を踏み入れてしまう。
時折、男は呟く。
「付き合っていた彼女、うまくいっていた頃は天使かと思うくらい優しかったのに、別れ話を持ち出したとたん、悪魔のように恐ろしい女になった」
それに驚いているのは、男ばかりじゃなく、女の方も、そんな自分に驚いているはずだ。
時折、女は呟く。
「私が死ぬ方が楽なのか、彼に死んでもらう方が楽なのか」
生まれて初めて読んだ恋愛小説は、たぶん『人魚姫』ではなかったかと思う。
****
恋した男のためにすべてを捨て、最後は、その思いさえ伝えられぬまま海の泡となって消えてゆく。
考えてみれば、その時に、恋愛とは割に合わないものだと知ったように思う。
かつては、人魚姫の無垢で一途な想いに心打たれた。少し物事を斜めから見るようになってからは、何の手も打てずに終わった人魚姫の愚かさを嘲いたくなった。
いつか年を重ね、人魚姫をどうにかして思い留まらせようとした姉たちの必死な説得に頷く自分がいて、やがて、「馬鹿な子だね」と、人魚姫に魔薬を手渡す、海の底に暮らす魔女が本当は何を言いたかったのか、思いを馳せるようになっていた。
私の中には、人形姫もいれば、魔女もいる。
その矛盾に、私は少しも不都合も不便も感じない。
(唯川恵)
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▼次へ 半落ち 投稿日: 1月19日(月)
●「半落ち」見た
「お前は誰のために生きているんだ」
幾度も問い掛けるこの言葉に深く考えさせられた。
「自分のために決まっているだろう」と多くの人はそういうだろう。でも、あなたは、誰かのために生きたいと思ったことはないですか?
運命的な相手だと思える人に出逢ったことはありませんか?この人のため、この子のためなら、死ねると思ったことはありませんか?本当にあなたは自分だけのために生きているのですか?
相手のために自分の命を捧げること。
それより大きな「愛」はない。
アルツハイマーにかかった最愛の妻を殺めて、警察に自首をする刑事。出頭するまでの2日間が不明。彼はその間、どこでなにをしていたのか・・。
ストーリーは、いってみたら、たいしたことない。映画としては、傑作というわけでもない。その2日間になにがあったかも、それほど納得できるものでもはない。
ただ、そこに描かれているさまざまな問題を、自身のものに重ね合わせたとき、この映画は不思議な化学反応をおこす。
なんというか。琴線に触れる映画だった。
原作を読んでいてオチも分かっていたが、後半から止め処なく涙が零れてしまった。くどく説明しない演出、寺尾聡のまさに原作にあったような清々しい表情、静かな演技が素晴らしかった。
キキキリンは、演技うんぬんいう以上にその気持ちが伝わってきた。哀しみと悲しみが。初めはひいてしまったけど、だんだん感情移入してきて、もらい泣きしてしまった。ダーと涙がでた。
原作よりも映画のほうがよかったと思う。散漫になっている部分、いただけない部分、腑に落ちない部分もあるが、私の場合、化学反応をおこした。
エンディングの薄枯れた紅葉もよかったし、全体的に流れる雰囲気も好感がもてた。
でも森山くんの歌は、ちょっとあってなかったように思う。
PS あとから聞いた話だが、原作者の横山秀夫の息子さんも骨髄移植を受けているらしい。してみるとこのテーマの重さをさらに痛感します。
テレビ放映後のここのサイトの感想にも考えさせられます。
「魂が抜けてなくなってしまった命は、命ではないのですか?」
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●「木更津キャッツアイ」
TVドラマを大画面で見ているという気もして、映画としてカウントするか迷いましたが、映画は映画です。
で、感想。
んやー。おもしれー。もっさ、おもしれー。でもTVシリ―ズ見ている人じゃなきゃ笑えないじゃん。これを見るためビデオ見といてよかったー。
っていうか、映画館で気がついたら俺だけ笑ってたじゃん。えっ、なに?なんで俺が浮いちゃうんだよ!女子高生たち、もっと笑えよ!おじさん、はずかしー(笑)
とにかく、ウッチー役の人が妙にツボに入ってしまい強烈に笑ってしまった。彼はすごいぞ。次にどのような役ででききて、どうなっていくのか楽しみであります。岡田義徳くんか。今後、超、チェキラだ!!
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●「アイラブピース」
本当に耳と口が利けない女優、忍足亜希子さんが主演なのです。たしかこの人「黄泉がえり」で私を泣かしてくれた人じゃないですか。
この映画、シリーズ化されていて3本目の映画だそう。彼女は一部のマニア的人気をもったアイドルなのだろうか。かなりアイドル映画していました。
確かに忍足さん可愛いです。30をとうに超えた方だと思いますが。彼女の長所は「なにごとにも必死だ」というところ。その一生懸命な姿に、心を打たれる人が多いのではないだろうか。彼女をみるだけでもガンバレるような気になる。そういうパワーを感じます。
映画は、聴覚障害者の義肢装具士の女性が、成長していくお話。
戦禍のアフガニスタンでロケ撮影をして、実際の映像も満載です。地雷で足を失ったアフガンの少女も熱演しています。出来栄えは、中学校の全校生徒でみるような教育的によい映画です。道徳的なのです。
とにかく、忍足亜希子がチャーミングな映画なのでした。
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●「ミスティックリバー」みた
クリントイーストウッド監督の円熟味といいましょうか。熟女の魅力的な味わいと申しましょうか。
前作「ブラッドワーク」は、荒削りな70年代風味の傑作サスペンス・ミステリでしたが、本作はそれをさらに熟成させ、完璧な深みのある作品に仕上げました。
そして仕上がりの完成度を高めているのはショーンペンの演技。間違いなく一級品の演技。申し分のない、素晴らしい演技と一般的にはいえるでしょう。
しかしながら、彼の演技にある「ロバートデニーロの真似臭」が鼻につくのです。昨今の悪しきデニーロの大袈裟演技に似ているのです。そういう演技部分があったのが気になったし、どうにも受け付けないのです。
彼はこれでオスカーをとるかどうか分からないが、たぶん最有力だろうと思う。でも、彼にはもっと違った抑えた演技の作品でオスカーをとってもらいたい。あの、やりすぎ表情の演技は好きじゃない。
だから、おすぎの言うように「とどめなく」は泣けなかった。けれど、意外にも主要な話からはずれた部分、伏線にある、ケピンベーコンのエピソードで泣かされてしまった。不意打ちのように。
ううむ。そういう演出できたか。さすが、御大イーストウッド。あの演出で作品の傑作さにダメを押す。一筋縄ではない演出。
そして、この映画の本質部分に関して、いろいろな見方が出来る作品でもあると思う。
深く考えてみると、それぞれがそれぞれの生き方をし、それぞれの道を選んだのだ。だから、それでいいのだ。そう思った。納得はいかないけどね。
PS.あ。特筆。ティムロビンスの演技は完璧でした。ショーンよりティムがすごいです。
殆どの人は後味の悪い映画と捉えるのかもしれないけれど、ただ単にそう言う風には見ませんでした → <さらに追加考察のページへ>
ミスティック・リバー 特別版(amazonのレビューみる) DVDのコメンタリーにたくさんの秘密が隠されていましたよ。
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▼次へ 過去のない男 投稿日:1月13日(火)
●「過去のない男」みた
「浮き雲」のカウリスマキ監督作品。
いろいろな雑誌で特に評論家などに評判がいいので、みてみました。
まさにヨーロッパ系映画。短館系の雰囲気。
情感のある映像。決してハリウッド的映画ではなぃ。
爽快ではないけれど、悪くない後味。
暴漢に襲われて、記憶を失った男が、
女性に職を紹介され、その女と恋に落ちる。
手探りに別の人生を歩んでいく男。
しかし男は自分が結婚していることを知る。
そして、男はある決断をする・・・。
記憶のない男の行動が、
ゆっくりと音楽に乗って描かれ
もの静かに物語は進んでいく。
音楽もよい演出もよい。
俳優も演技もよろしい。
ただ、すこし地味かな。
注意が必要です。
言うなれば。
カウリスマキ的余韻。
しみじみ感じる人もいるだろう。
音楽に救われる人もいるだろう。
人生に終わりはない。
そう。人生は何度でもやり直せるのだ。
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▼次へ インアメリカ 投稿日:1月11日(日)
大人の悩みというものをもしかしたら子供が一番敏感に感じ取ってしまうのかもしれない。親の微妙な変化に子供は心の底で反応している。
逃げようとして逃げられないものに対して、
子供は鋭く気づく。見抜いてしまう。
人は誰もが、なにかに絶望し、苦悩を抱えながら
生きている。だけどそればかりではないだろう?
笑顔を向けてくれる人もいるだろう?
絶望とは、望みを絶たれた、という意味ではない。
望みを絶たれたと思い込んでいる状態をいうのだ。
そう勘違いしているだけだ。だから、その先には必ずなにかがあるはずだ。
誰だって辛いし、救いを求めているけれど、
苦しみながら、もがきながら皆生きている。
人は自分の過去にむきあって、自覚して、はっきりと、「さよなら」をいわなければならない時がある。それは苦しいけれど、乗り越えていかなければいけないことだ。
それは逃げようとしても逃げられないものだから。
●「インアメリカ」みた
噂にたがわず、傑作でありました。
心に沁みました。子供が可愛いかった。
女の子、素晴らしい演技でした。
何かから逃げようと、カナダからアメリカに
移り住んだアイルランド系の4人の家族。
苦悩に満ちた夫婦、屈託のない幼い姉妹が
ニューヨークのスラム街に住み着き、
必死に生きていこうとする。
前半に出てくる象徴のような場面。
映画ETを家族で見に行った帰り。たまたま露天で
ボールを目標の穴に8回入れるとETの人形が
もらええるゲームに出くわす。
そのゲームにはまりいつしかお金を積み重ね、ぬかるみにはまる。あげく、なけなしの家賃までもを賭けてしまう。一か八か。
成功すればファンファーレ。お祝いしてくれる。
負ければ誰も助けてくれない。
これがアメリカ。アメリカの素晴らしさと怖さ。
快楽と絶望が裏腹に同居する国「アメリカ」。
家族はなにかを求めてアメリカにやってきた。
しかし・・・
一家に横たわる大きな苦悩は、誰も救ってはくれない。自分たちで乗り越えなければならない。現実を突きつけるアメリカ。そこで家族が見出すもの・・・
「デスぺラード」の歌の場面はどうしても涙が止まりませんでした。クライマックスのベランダの場面では、熱いものが、身体の底から湧きあがってくるようでした。
悲しい映画ではないです。
どうぞとにかくご覧になってください。
今年1番のお勧めです。
上
上
(去年の)
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